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執筆者の写真tufshouken

【外語祭特別コラム】NFTアートを知りたい!!!

11/19-1/23にかけて、東京外国語大学で「外語祭」が行われます。

丹法会は対面での講義棟企画を行っており、メンバーたちが自由にプレゼンをしますが、


企画に行けない…!というそこのあなた!


メンバーがWEB用に特別記事を書いてきてくれました!

丹法会の自由さや面白さを感じて頂ければ幸いです!



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NFTアートを知っていますか?NFTアートは、ここ最近アーティストさんたちの中で大チャンスだとか超危険だとか言われています。一部の人はNFTアート市場には黒人白人関係なく参加できるため、公平な評価が得られるという肯定的評価を、また他の人は十分な理解があっても参加するべきでないという否定的評価を下しています。


この記事は、昨月(2021年10月)に発表されたswmr氏のnoteを中心に幾つかのサイトを参照し、私がNFTアートについて纏めたものです。


そもそもNFTって何かといえば、「データの唯一性を保証する」トークンです。Non-Fungible Tokenの略です。今回のNFTアートでいえば「この作品データは他でもないこの作品データである」という感じです。従って、作品自体を購入しているわけではありません。つまり、作品をコピーして他者に販売する権利も、他者に作品をコピーさせない権利もありません。NFTアートと呼ばれていますがアート自体は売り買いされていないのです。


「データの唯一性を保証するってどうやんの?」と思われた方のために書いておくと(興味がなければ読み飛ばしていいです)、ブロックチェーン技術を使っています。ブロックチェーンとは、あるデータがどう取引されていったかを暗号技術を用いて記録する技術です。この技術のおかげで、たとえば作品がコピーされたとしても、異なる取引経路であることがわかり唯一無二のデータとは異なることが示されるわけです。


閑話休題。NFTアートを考える際に最初に大事なのは、「日本では何として扱われているの?」という点でしょう。令和元年の金融庁のコメントではNFTの仮想通貨該当性は実態に即し個別具体的に判断されるべきとして、暗号資産に必ずしも該当するとはしていません。これがNFTアートの諸問題を引き起こしていきます。法規制が十分になされていないのです。


ネットを見る限りNFTアートの購入目的としては、所有欲を満たす、アーティストを応援する、投資として購入するというものが主たるもののように見えます。最初の2つに関してはある種自分の中で完結しているのですが、最後の投資というものが曲者です。株の購入とは大きく異なり、誰もその価値を保証していないのです。


前述の通り法制度は構築されていませんし、企業の株のように業績に裏付けされたものではありませんし、証券会社も絡んでいません。「結局コレにはどれくらいの価値があるのか」ということを知るのはほぼ不可能です。つまり、最初にNFTアート市場に入ってった人々が転売で提示した金額が、更なる投資を望む人にとっては「末端価格」かどうかわからないのです。


簡単にいえばNFTアート市場は、””ネズミ講””です。儲かると聞いて後で来た人たちが割を食うことになるのです。投資の商品として買われたトークンは、在庫になった健康用品と同じ未来を、いや利用方法がないという点で凄惨な未来を辿ることになります。


質の悪いことに、NFTアートを出したアーティストに被害が行く可能性もあります。一つに、アーティストがNFTアートの価値の裏付けをしたものであるとして経済的責任を負わされる可能性です。上述の法規制や企業の業績、証券会社の役割をアーティストが一挙に背負わされるかもしれない、ということです。そしてもう一つが著作権を侵害される可能性です。NFTアートの発行自体は誰でもできるため、どこかの絵師さんの作品をコピーしてそのままNFTアートとして販売することは当然可能です。


NFTアートは法的規制がなされていないために、文字通り無法地帯となっています。危険な荒野に足を踏み入れてお金を稼ぐようなエリートであると自分を考えない限りは、外で眺めるだけにしておくのが良いと考えられます。


余談ですが、NFTアートは環境破壊に繋がるという主張があります。Akten(2020)によれば、NFTアートのカーボンフットプリント(CFP。あるもののライフサイクルにおいて消費される温室効果ガスの総量)は、211kgにも上ります。これは車で1000km走ったときの量に相当し、粗製乱造されている現状に鑑みればとてつもない量の温室効果ガスが排出されていることになります。これはNFTの取引を承認するために大量のマイナーが一斉に動いているからです(実際に承認するのは一人)。


参考文献・参考サイト

NTT Data 「ブロックチェーンの仕組み」

TMI総合法律事務所 「NFTに関する法的考察~アート、ゲーム、スポーツを題材に~」

smwr 2021 「NFTアートには手を出すな!」

Enkhzol 2021 「NFTと環境問題」

https://note.com/sanchir/n/n38f6419822dc

Akten 2020 「The Unreasonable Ecological Cost of #CryptoArt (Part 1)」

Brandon’s Drawings「6 BIG Problems for Artists Selling NFT Crypto Art in 2021(Watch Before Minting!)」

ニック・カーター 2021 「ビットコインのエネルギー消費量を誤解していないか」

https://www.dhbr.net/articles/-/7743


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